通信#128 (第19回関東研究会・第106回仏教と心理学等の接点を追求する勉強会  2014年4月30日)

通信#128 (第19回関東研究会・第106回仏教と心理学等の接点を追求する勉強会  2014年4月30日)

東京では桜の季節が過ぎ去り、過ぎゆく春を惜しむように、ハナミズキが街を彩っています。この良い季節を満喫しようと、デイバッグにスニーカーの装いの人たちが新緑の公園を散策していました。そんなときに、きれいな花を見かけても、感動を言葉で伝えることは、なかなか難しいものです。紀貫之は、古今和歌集の序に、人の心からさまざまな言葉(和歌)が生み出されることを述べています。

 「やまとうたは、ひとのこころをたねとして、万(よろず)の言の葉とぞなれりける。・・・(中略)・・・猛き武士(もののふ)の心を慰むるは歌なり。」(古今和歌集仮名序)
 言葉に人の心を和ませる力があることを、平安時代の人たちは現代人以上に知っていたのですね。

 4月の勉強会は、桜美林大学大学院生の松永博子さんに老年学という新しい学問をご紹介いただきました。高齢化社会に対する関心の大きさ(問題の多さ)を反映してか、交流会では大いに盛り上がりました。

5月は、心理療法、カウンセリング理論がご専門の元共栄大学教授山田博夫先生に「心理療法NLP(神経言語プログラミング)と仏教理論の統合化について」と題してご発表いただきます。

 山田先生は、ご専門の心理療法、カウンセリング理論のほかに、仏教を中心とした宗教にも造詣が深く、これらをミックスした次回のご発表にどうぞご期待ください。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

なお、5月以降、勉強会は第3土曜日午後4時からとなりますので、ご注意ください。              

せばな・石橋清人

※勉強会終了後、食事会を予定しております。

  ご都合のよろしい方はご参加ください。

※勉強会発表者の募集について

  本メールの最後に詳細を記載いたしましたので、ご参照ください。

19回関東研究会・第106回仏教と心理学等の接点を追求する勉強会

テーマ: 「心理療法NLP(神経言語プログラミング)と仏教理論の統合化について」発表者:元共栄大学教授 山田博夫先生

日 時:5月17日(土): 4時~6時(当日3時30分から入室できます)

場 所:武蔵野大学・武蔵野キャンパス 仏教文化研究所6号館5階

     東京都西東京市新町1-1-20

    連絡電話番号:042-468-3145

参加費:無料(申し込み不要)

連絡先[email protected](学会本部。質問等はこちらに、当日3:30PMまでにお願いします。)

講師プロフィール三鷹市在住

 ・大阪市出身  大阪市立大学法学部卒業 民間企業入社、人事部教育課長等を経て産業能率短大 、湘北短大、共栄大学国際経営学部 各教授 (経営学、心理学)、福井大医学系大学院、富山大同大学院各非常勤講師(心理療法)

・現在 特定非営利活動法人 日本人間関係心理士協会理事長 三鷹経営コンサルタント協会理事

*著書  「人間関係力をきたえる9つの心理セラピー」(アマゾン電子書籍、2014年4月刊)

「豊かな人生への自己実現―交流分析と宗教思想」「交流分析の実践的展開」

「現代経営学概論」「企業の教育訓練」「部下指導の要点」等 産能大学出版部等刊 

*論文 「中高年者への人生設計教育」「面白くてためになる授業方法の研究」

 「大学新入生に対する「基礎演習」のあり方に関する研究」等 約20編

発表概要

     NLP(神経言語プログラミング)は、1970年代、カリフォルニア大の助教授だったJ・グリンダー(言語学者)とその院生R・バンドラー(数学者)が、当時著名だった3人のセラピストの心理療法を研究し、そのエッセンスを集約、体系化し、実践手法として開発されたものです。現在では、ビジネス、医療、教育、カウンセリング、スポーツ等に幅広く活用され、米国では帰還兵士のPTSD治療や政治家のコミュニケーション力向上にも応用されています。NLP理論が依拠するゲシュタルト療法を開発したF・パールズは、禅に共鳴し、その思想を広く活用したといわれ、その面からも、NLPと仏教思想の基礎的な関連性が伺えます。 

NLPの諸技法は、ともすれば、形式的なプロセスやテクニック面が強調されその科学的、理論的根拠が希薄だと、神経科学や心理学分野からの批判もあります。しかし仏教理論からサポートし、コラボレートすれば、これらの批判にもある程度耐えうるものと考えられ、何より現実的成果の高さが、私のその有効性を物語っています。 NLP活用時、いかに仏教理論を取り入れ、その相乗効果を高めるか、経験にもとづく事例を紹介いたします。

(発表者からのメッセージ)

今回の発表では、NLPと仏教を対等の立場で融合化をはかろうというものではなく、あくまでNLP活用を中心、主体にし、仏教理論はその補助、触媒役として援用するという位置づけであります。発表では次のような言葉を使う予定です。 一心万法、三法印、四分説、四諦、五蘊盛苦、六波羅蜜、無財の七施、八正道、空の思想、十善戒、十二縁起、万法不離識 等。

※ 勉強会発表者募集次第

 以下は、基本的な発表の次第です。

 発表は4時から1時間程度で、その後1時間で参加者の小グループごとでの意見交換をしていただきます。

 ご発表いただける方には具体的にご相談させていただきます。

 発表内容その他について疑問などありましたら事務局までお尋ねください。

 勉強会の大まかなテーマは次のとおりです。

 ・心理学(心理療法等を含む)と仏教に関連する発表(心理学・仏教単独でもよい)

 ・上記に関する本の紹介など(講読)

※ご参考までに文末に過去数回の発表のテーマを紹介させていただきます。ご連絡をお待ちしております。    せばな・石橋清人(事務局)

連絡は以下のメールアドレスへ

        [email protected]

   又は

        [email protected]

○過去の発表テーマ

 第90回・91回 「アメリカ仏教と心理学の遭遇-現代社会を省みて」

 第92回 「人間の潜在力-個人尊重のアプローチ」

 第93回 唯識思想における自我構造

 第94回 コントロール方略の発達-日米の文化差と老年的超越

 第95回 聲のコスモロジー(農民芸能と宗教 無境界のはざまから)

 第96回 精神科医 マーク・エプスタイン博士の人物と研究等紹介

 第97回・98回・99回 講読 マーク・エプスタイン「ブッダのサイコセラピー」

 第100回 日本における仏教と心理学の協力の歴史と発展―禅心理学を中心に―

 第101回 仏教心理学の指向性orientedについて

       ―ダンマセラピーの理論と技法の視点から―

 第102回 禅の基礎

 第103回 初期仏教(原始経典)入門

 第104回 依存症の治療におけるマインドフルネス瞑想の導入

       -仏教的ルーツと未来の意味合い-

第105回 中年期にある人の自己老後像と関連要因の質的研究

      -積極型と消極型、反面教師型の対比から-

(その他のテーマ)

 ○精神保健福祉士のしごとーソーシャルワークの視点からー

 ○自己理解から他者理解へ ~性格タイプの理解~

 ○(購読)フロイトを読む

 ○フォーカシングって何(ワークショップの試み)

 ○(購読)安藤治著「心理療法としての仏教」