あけましておめでとうございます。寒い日が続きますが、お変わりありませんか。本年も続けて、関西勉強会をお引き立てくだいますようお願い申し上げます。
さて、第26回関西勉強会についてご案内致します。今回は、韓国の東国大学校教授バイヤー・アヒム先生をお招きしてお話を伺います。バイヤー先生はドイツ人で、ご発表は日本語です。自由な意見交換の時としたいと思います。貴重な機会ですので、是非ご参加ください。会員・非会員を問わず、どなたでもご参加になれます。皆様のご来場を、心よりお待ちしております。
記
■期日:2014年2月7日(金)18:30~20:30頃まで(開始時間は18時30分です)
■会場:龍谷大学大宮キャンパス 東黌102教室 <前回と同じ教室です>
(校門に向かい合う飛び地にある建物・東黌の1階です。守衛所でお尋ねください。)
地図:龍谷大学大宮キャンパス(JR京都駅より徒歩約10分)
HP http://www.ryukoku.ac.jp/omiya.html (地図の⑩の建物です。)
■研究発表と討論・意見交換(18:30~20:30)
現在の瞬間に生き、過去を尊び、未来を旨く支配する
―「無念」等の現在論についての再考察―
バイヤー・アヒム (東国大学仏教学科教授.日本仏教心理学会会員)
よく知られているように、仏教における寂止(奢摩他)の瞑想法は、現在の瞬間に意識を向けることに重点をおく。 また、現在の瞬間に意識を向けることは瞑想実践の時だけでなく、日常生活における基本的な態度として推奨されている。 伝統的に、この姿勢は「無念」などと呼ばれる。近年、実験心理学や神経生物学における多くの研究が、現在の瞬間に意識を向ける瞑想の実益を実証している。しかし、日常生活において現在の瞬間に意識を向ける態度の効果、すなわち心理的及び社会的効果は、科学的な解明が難しい。人生の充実や成功のためには、ある程度、将来の計画が必要なのは明らかであろう。それと同様に、過去の経験に対する認識も、人格の形成や知識の構築を進めるために必要である。過去、現在、未来に対する態度は、個人的レベルを超えて、広く文化や技術に深い影響を与える。
従って、仏教の立場からは、現在に意識を向ける態度が基本的に推奨されるが、この態度の詳細についても明らかにする必要がある。仏教の瞑想論からみると、寂止(奢摩他)の瞑想法は従来、観(毘鉢舍那)の瞑想のための準備として教えられてきた。また「止觀」という熟語は古代仏典においてもよく見られる。観(毘鉢舍那)の瞑想法とは、寂止(奢摩他)によって静めた心で、中観における存在論など哲学的な疑問を解き明かすことである。
今回の発表では心理学者フィリップ・ジンバルドやジョン・ボイドが行った過去、現在、将来に対する個人的文化的な態度についての研究を、仏教学の立場から、再検討しようと思う。詳細にわたる内容なので、発表中であっても自由に質問していただき、発表後には充分な討論の時間を持ちたい。
■お問合わせ:藤 能成 (ふじ・よしなり:日本仏教心理学会会員・龍谷大学教授)
E-mail : [email protected] TEL : 龍谷大学075-343-3311㈹
■お願い:参加申込は必要ありませんが、予め参加者数を把握したいと思いますので、ご参加の方はできるだけ前日(2月6日)までに上記アドレス宛て、お名前をお知らせください。